2023年度ZOOMによるオンライン講義報告
日時:2024年1月21日(日) 10:00~
講師:橋本尚幸先生(静岡済生会療育センター令和)
吉田琢哉先生(吹田療育園)
出野智子先生(青木医院)
進行:山崎直信先生
参加者:15名
江平知子、西田まゆみ(聖ヨゼフ医療福祉センター)、眞鍋かおり(平成野田クリニック)
伊藤美和子(自宅)、古俣春香、福士善信(北海道立子ども総合医療・療育センター)
荒川知春(かねはら小児科)、水川有希(豊中市立児童発達支援センター 診療所)
小寺晶子、荒井千晶(大阪赤十字病院付属大手前整肢学園)、藤川尚美(北海道せき損センター)
刈谷仁美(藍野療育園)、橋本真澄(静岡済生会療育センター令和)、草下香(自宅)
仮屋成美(南九州病院)
講義報告
2024年になり、新年から災害や大きい事件が起きています。石川、新潟の会員の皆様は心配が続く毎日を過ごされていることと思います。災害はいつどこで起こるかもわからず、意識しておかねばと感じています。
年をまたぎましたが、2023年度ZOOMによるオンライン講義が行われました。内容は、「ビデオ症例検討―パターン化された治療にならない為の問題点の絞りと治療手技の選択についてディスカッションしましょうー」をテーマに、橋本先生、吉田先生、出野先生のビデオ症例検討でした。進行は、山崎先生が行ってくださいました。まず、チャットで各地方のお天気調べから、今回の研修テーマのどこに注目して参加したのかなど、参加者のコミュニケーションをとるところから始めていただきました。
内容は、3名の先生方が、経過を踏まえた症例を提示してくださいました。橋本先生のケースは4歳の痙性四肢麻痺、ウェスト症候群の反りの強い方でした。治療場面の工夫など見せていただき、治療効果として、よく眠るようになった、表情がおだやかになったなど、生活が楽になった変化があり、ご家族もそれを感じられているとのことでした。質問も、治療効果を睡眠や生活の中でどうとらえていくか等がありました。吉田先生のケースは中学2年生の脳性麻痺、独歩レベル、発達障害もある方でした。歩行や片足立ちの評価、治療場面など映像を提示ししてくださいました。身体の成長と共に、左右差が目立ってきている事、治療で変わったところ、変わっていないところなど苦慮されているケースでした。今回まとめるにあたり、生活の事の把握が足りていなかったと言われ、私自身も長く担当しているケースで、生活の困りごとを見落としてしまうこともあり、パターン化しているのは治療だけではないのではと気づかされました。出野先生のケースは60代の右片麻痺の方でした。2年半の治療期間、ご本人と一緒に治療していくこと、意見を聞きながらの治療経過など、コミュニケーションをしっかりとられていて、それが治療にもつながっているのだなと感じました。
盛りだくさんな内容であり、ゆっくりディスカッションする時間がなかったのが残念でした。時間もかなり超過してしまい、時間設定など、確認して注意していかねばと思っています。最後に、草下先生が、悩みながら検証していくことが大切だと話してくださいました。患者様やご家族とコミュニケーションをとり、生活を支援していくことを忘れないこと、思考がパターン化しないよう検証していくことの大切さを強く感じました。
橋本先生、吉田先生、出野先生、山崎先生、参加して下さった研究会の方々、ありがとうございました。
南九州病院 仮屋成美